食事療法(1)

1.食事療法の目的

 食事療法の目的は糖尿病の患者さんが健康人同様の生活を送るのに必要な栄養を補給すること、血糖や血中脂質をできるだけ正常に近づけ合併症が起こったり、進むのを防ぐことです。

2.食事療法とは

 糖尿病食とは、糖尿病を治す特別な食事をとることではありません。「過食を避け偏食をせず毎日規則正しい食事をする」ということです。これは健康で長生きするための食生活の原則、つまり糖尿病食は健康食なのです。

食事療法の原則は
  適正なエネルギー量の食事
  栄養のバランスの良い食事
  規則正しい食事

3.食事療法の進め方

(1)あなたに必要なエネルギー量を知りましょう。

 一日に必要なエネルギー量は年齢、性別、身長、活動量など考慮して主治医が決めます。

あなたの標準体重を計算しましょう。


糖尿病タイプ


あなたの体重1kgあたりに必要なエネルギー量を調べましょう。(キロカロリー:kcal)



あなたの一日に必要なエネルギー量を計算しましょう。



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糖尿病とは(2)

 高血糖状態はきちんと医師の指導を受け、治療を守れば、確実によくすることができます。治療によって、一時的に血糖値が下がったとしても、治療を続けなければ血糖値はすぐまた高くなってしまいます。
 高血糖が5年〜10年以上長く続くと、眼や腎臓などに病気が出てくることがあります。これを糖尿病の合併症といいます。
 糖尿病の治療の目標は、合併症を起こさない良い状態に保ち、健康な人とかわらない社会生活をおくれるようにすることにあります。

糖尿病の症状とは

 糖尿病の症状は気付きにくく、多少血糖値が高くても、まったく症状のない人がほとんどです。「症状がないから大丈夫」なのではなく、症状があれば血糖値はかなり高くなっていて、合併症が進んでいる可能性があるということです。
 高血糖がひどくなると、のどが渇く、おしっこが多い、トイレが近くなる、体がかゆい、できものができやすい、傷が治りにくい、足がつる、だるい、疲れやすい、物覚えが悪い集中しない、眠い、お腹がすく、食べても痩せる、といった症状が現れてきます。さらに高血糖がきわめて高い状態では昏睡に陥ることがあります。


糖尿病タイプ


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糖尿病とは(1)

 糖尿病とは、血糖値が高い状態(高血糖)が続くことです。これは、すい臓から作り出されるインスリンという血糖を下げるホルモンの作用不足からおこります。
 糖尿病は、たいへん患者さんの多い病気です。40歳以上の人では、10人に2〜3人が糖尿病と言われています。
 糖尿病にはいくつかのタイプがあります。
  1.1型糖尿病
  2.2型糖尿病
  3.その他の特定の機序、疾患によるもの
  4.妊娠糖尿病

 1型糖尿病とは、若年者に多く、ウイルス感染と自己免疫反応によって発症します。本来、すい臓で作り出されるはずのインスリンがなくなってしまう病気です。患者数は約10万人です。
 2型糖尿病とは、インスリンの分泌が低下しているものの、ゼロではなく、いくらかは分泌されているタイプです。このタイプの患者数は圧倒的に多く約1000万人です。


糖尿病タイプ


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