はかる生活(1)

健康で合併症のない生活を送るために、以下に述べるはかる生活を実践しましょう。

1.HbA1c(エーワンシー、ヘモグロビンエーワンシー)

 病院受診時には、HbA1cを測定します。HbA1cとは、1〜2ヶ月の血糖の平均をあらわしたものです。
 「ヘモグロビンエーワンシー」という言葉は長いので最近アメリカなどでは単に「エーワンシー」と呼ぶようになってきました。
 家ではかることはできませんので、原則として月1回の受診を定期的に行うようにしましょう。


血糖正常化を
目指す際の目標
合併症予防
のための目標
治療強化が
困難な場合の目標
HbA1c(%)6.0未満7.0未満8.0未満

合併症を起こさぬ知恵

 体熱に例えると39度を超えたら大変、早く平熱に!
 HbA1cも、6.5%以内に

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病気の時の対策(2)

1型糖尿病の方へ

 1型糖尿病の方は、インスリンと水分を適切に補充してケトアシドーシスを予防する必要があります。
 ケトアシドーシスとは著しい血糖の上昇とケトン体の増加により血液が酸性に傾くことです。
 なお、自分だけで対処できない場合は必ず主治医に電話で相談をするか、直接診察を受けてください。

1.水分を十分に補給する

 食欲がなくても少しずつでも水分を補給しましょう。
 食事ができるときは、コンソメスープや味噌汁などでこまめに水分を補給します。
 食事ができないときにはポカリスエットなどの糖分がはいったものを飲みます。

2.血糖をはかりインスリン注射を追加する

 著しい高血糖になるのを予防するために少なくとも4時間ごとに血糖をはかり、その値でインスリン注射の追加を行います。
 一般に次の表のように追加します。

 4時間毎の血糖値で速効型または超速効型インスリン(透明なインスリン)を追加します。
(持効型インスリン・ランタス注も透明ですので間違えないようにしてください)。

血糖値尿ケトン追加インスリン
250mg/dl以下な し
250〜400mg/dl速効型または超速効型インスリン 1日の総量の1/10
250〜400mg/dl速効型または超速効型インスリン 1日の総量の1/5
400ml/dl以上速効型または超速効型インスリン 1日の総量の1/5

 病気になったときは血糖が上がりやすいのでインスリン注射はやめてはいけません。
 食事ができない場合も通常どおりのインスリン注射が必要です。

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病気の時の対策(1)

糖尿病の人が病気になったときはいくつか注意することがあります。

1.まず、風邪などの治療をする

病気なったときはまず受診し、適切な治療をうけましょう。

2.水分を十分にとる

 かぜなどの病気の時は熱が出たり、血糖を上げるホルモンがでるので血糖値は上昇します。
 このため、たくさんの尿がでて、体の水分が少なくなり脱水症状になりやすくなります。また熱のため汗をかくとさらに水分が少なくなります。
 自分で思っているよりも体の水分は少なくなりやすくなっています。以下のようにして水分を補給しましょう。

(1) 30分〜1時間ごとにコップ1杯弱は飲みましょう。

水分は塩分の入っているもの、例えばコンソメスープや味噌汁、ポカリスエットなどがよいでしょう。

(2) 通常の食事ができる状態の時は糖分の入っていないものを飲みます。

3.薬について

(1) 内服薬の人

病気の程度により変わりますので主治医と相談してください。

(2)食事ができる状態のとき

通常通りで構いません。食事ができないときは主治医と相談してください。

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低血糖(2)

3.低血糖の対処

 低血糖の症状がみられたら、砂糖かブドウ糖を20gまたはそれに相当するジュースを摂取します。
 15分が経過しても症状が治まらない場合は、さらに同じ量を摂取します。
 また食事まで1時間以上時間がある時は、表1(糖質を多く含むもの)を1〜2単位(ごはん50〜100g、食パン6枚切り1/2〜1枚、マリービスケット3〜6枚)摂取します。




糖尿病カードは常に携帯しておきましょう。

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低血糖(1)

糖尿病は高血糖が持続する病気です。その治療として経口血糖降下剤やインスリンを使用することがあります。
しかし、時に血糖が下がり過ぎることがあります。それを低血糖といいます。

1.低血糖になるとどうなるか

 ブドウ糖は生きていくために必要不可欠な栄養素です。
 低血糖を起こし体の中のブドウ糖が少なくなるとさまざまな症状がでてきます。低血糖の主な症状は下図の様ですが、症状の出方はひとりひとりかなり違います。ご自分の症状を知っておくことはとても重要です。
 日頃、血糖が低めの方は低血糖症状がでるのが遅れることがあります。



2.低血糖を予防するために

  • 経口血糖降下剤を服用またはインスリン注射をしたら、時間を空け過ぎずに食事をとりましょう。
  • 食事と食事の間隔を空け過ぎないようにしましょう。
  • 空腹時の運動、入浴はさけましょう。
  • 必要に応じ激しい運動前、就寝前に捕食(表1を1〜2単位)をとりましょう。
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