病気の時の対策(1)

糖尿病の人が病気になったときはいくつか注意することがあります。

1.まず、風邪などの治療をする

病気なったときはまず受診し、適切な治療をうけましょう。

2.水分を十分にとる

 かぜなどの病気の時は熱が出たり、血糖を上げるホルモンがでるので血糖値は上昇します。
 このため、たくさんの尿がでて、体の水分が少なくなり脱水症状になりやすくなります。また熱のため汗をかくとさらに水分が少なくなります。
 自分で思っているよりも体の水分は少なくなりやすくなっています。以下のようにして水分を補給しましょう。

(1) 30分〜1時間ごとにコップ1杯弱は飲みましょう。

水分は塩分の入っているもの、例えばコンソメスープや味噌汁、ポカリスエットなどがよいでしょう。

(2) 通常の食事ができる状態の時は糖分の入っていないものを飲みます。

3.薬について

(1) 内服薬の人

病気の程度により変わりますので主治医と相談してください。

(2)食事ができる状態のとき

通常通りで構いません。食事ができないときは主治医と相談してください。

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低血糖(2)

3.低血糖の対処

 低血糖の症状がみられたら、砂糖かブドウ糖を20gまたはそれに相当するジュースを摂取します。
 15分が経過しても症状が治まらない場合は、さらに同じ量を摂取します。
 また食事まで1時間以上時間がある時は、表1(糖質を多く含むもの)を1〜2単位(ごはん50〜100g、食パン6枚切り1/2〜1枚、マリービスケット3〜6枚)摂取します。




糖尿病カードは常に携帯しておきましょう。

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低血糖(1)

糖尿病は高血糖が持続する病気です。その治療として経口血糖降下剤やインスリンを使用することがあります。
しかし、時に血糖が下がり過ぎることがあります。それを低血糖といいます。

1.低血糖になるとどうなるか

 ブドウ糖は生きていくために必要不可欠な栄養素です。
 低血糖を起こし体の中のブドウ糖が少なくなるとさまざまな症状がでてきます。低血糖の主な症状は下図の様ですが、症状の出方はひとりひとりかなり違います。ご自分の症状を知っておくことはとても重要です。
 日頃、血糖が低めの方は低血糖症状がでるのが遅れることがあります。



2.低血糖を予防するために

  • 経口血糖降下剤を服用またはインスリン注射をしたら、時間を空け過ぎずに食事をとりましょう。
  • 食事と食事の間隔を空け過ぎないようにしましょう。
  • 空腹時の運動、入浴はさけましょう。
  • 必要に応じ激しい運動前、就寝前に捕食(表1を1〜2単位)をとりましょう。
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合併症(2)

2.動脈硬化症

(1) 糖尿病性神経障害

 動脈硬化症は糖尿病の方でなくても起こりますが、糖尿病があると動脈硬化が進みやすいといわれています。
 動脈硬化がすすむと心筋梗塞や脳梗塞をおこしたり、下肢の動脈硬化は潰瘍や壊疽の原因になることもあります。

これらの合併症の予防、進行防止するためには血糖・血圧の良好なコントロール、コレステロール値、体重のコントロール、禁煙が大事です。



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合併症(1)

自覚症状がないといって糖尿病を放置していると全身のさまざまな臓器に障害をもたらします。

1.三大合併症

(1) 糖尿病性神経障害

全身の神経の働きが障害されることによりさまざまな症状があらわれます。主な症状は手足のしびれ、冷感、痛み、下痢、便秘、インポテンツ、たちくらみ、額や顔に汗をかきやすいなどです。

(2) 糖尿病網膜症

 糖尿病網膜症とは血糖が高い状態が長く続き網膜にある毛細血管が障害をうけることで起こってきます。
 成人の失明原因の第3位になっており、年間3500人以上の方が糖尿病網膜症により視力低下しています。
 症状は視力が落ちる、ものがゆがんで見える、目の前にひものようなものが見える、視野が欠けるなどいろいろあります。しかし症状が出るのは網膜症が進行してからのことが少なくありません。そのため、定期的に眼科を受診し早期発見、早期治療していくことが大切です。

(3) 糖尿病性腎症

 糖尿病性腎症とは腎臓にある腎糸球体の変化により腎臓の機能が低下していくことです。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排泄するという役割をはたしています。腎臓の機能が低下してくると、体がだるい、足がむくむ、貧血になる、吐き気がするなどの症状が現れますが、それは腎臓の機能がかなり低下してから出てきます。人工透析になる人の原因の第1位になっており、毎年新たに1万人以上が透析療法開始になっています。
 糖尿病性腎症の状態を調べる検査に尿たんぱくや尿アルブミンがあります。


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