定期受診の必要性

糖尿病患者さんの中には「症状がないから」等という理由で病院に行かず放置する人がいます。また病院に行っても「薬は必要ないらしい」とか「時間がないから」と言って治療を中断してしまいがちです。そういう「糖尿病放置病」が蔓延しています。糖尿病は放っておくと、自覚症状がないうちに合併症が進んでしまう病気です。
それらを予防する為にも糖尿病の患者さんは、原則として月に一回の定期受診が必要です。
定期的に受診することにより、現在の血糖コントロールの状態を把握でき、更には合併症の早期発見、早期治療も可能となります。
まずは、かかりつけの医師を決め通院すること。つまり「糖尿病通院病」になることです。そしてよく相談し自分でできそうなことを決め、よりよいコントロールを目指して行きましょう。


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糖尿病と遺伝

糖尿病の人のこどもは糖尿病になりやすいのでしょうか?


(1) 2型糖尿病は多少遺伝することがあります。

  2型糖尿病の場合、糖尿病になりやすい体質はこどもに遺伝することがあります。2型糖尿病とは糖尿病の大部分(95%以上)を占め成人してから健康診断などで偶然発見される糖尿病はこの型と考えてよいでしょう。2型糖尿病というのはひとつの病気ではありません。さまざまな原因で血糖が上昇するのですが、結果として血糖値があがると糖尿病と診断されます。あなたの2型糖尿病が遺伝しやすいかどうかあなたのこどもさんが糖尿病になることがあるのかどうか、今のところはっきりと予測することは難しいのです。親兄弟に糖尿病の人がたくさんいる家系ではこどもさんが大人になってから糖尿病になる可能性はあると考えておいたほうがよいでしょう。
 かりに糖尿病になりやすい体質がこどもに遺伝した場合でもこどもに必ず糖尿病が発症するわけではありません。こどもさんが糖尿病になりやすい生活習慣(過食、運動不足、肥満など)を続けている場合は糖尿病になりやすいと考え、糖尿病になりにくい生活習慣を続けられるように勤めましょう。

(2) 1型糖尿病の方のこどもはまず糖尿病になりません。

 突然糖尿病になって早くからインスリン注射が必要な糖尿病を1型糖尿病といいます。こどものうちからインスリン自己注射をすることになる糖尿病は大部分1型糖尿病です。日本では非常に少ない糖尿病の型で糖尿病の方の1%以下と思われます。
 1型糖尿病の方が母親や父親になったとき、そのこどもはまず糖尿病になりません。実際に1型糖尿病の多くの患者さんは家族に糖尿病になった人がいないのに突然糖尿病を発症しています。1型糖尿病ではこどもが糖尿病になる確率はゼロではありませんが極めて少ないと考えてよいでしょう。

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外食のカロリー量と単位

* 1単位=80kcal


料理名カロリー
(1単位*)
合計単位表1の単位
(主に糖質)
表3の単位
(たんぱく質)
表5の単位
(脂肪)
調味
ごはん物カレーライス560
〜720
7〜94.5〜5.50.5〜1.50.5〜1.00.1
〜1.5
チャーハン560
〜720
7〜94.0〜5.51.0〜2.01.5〜2.50
丼物うなぎ丼560
〜720
7〜94.0〜5.02.5〜3.500.4
〜0.5
カツ丼720
〜960
9〜124.5〜6.02.5〜3.51.0〜2.00.3〜
0.5
すし巻き寿司
(太巻)
480
〜640
6〜84.0〜5.50.5〜1.000.5
〜1.0
いなりずし400
〜720
5〜92.5〜4.01.5〜3.000.6
〜1.4
弁当幕の内
(駅弁)
640
〜800
8〜104.5〜5.52.0〜3.00.5〜1.50.2〜
0.5
めんかけうどん240
〜320
3〜42.5〜3.50〜0.500.1〜
0.3
きつねうどん320
〜400
4〜52.5〜3.50.5〜1.500.3〜0.5
冷し中華400
〜560
5〜73.5〜4.51.0〜1.50.50.2〜
0.3
中華そば
(ラーメン)
400
〜560
5〜74.0〜5.00.5〜1.00.5〜1.00〜
0.2
焼きそば480
〜640
6〜84.0〜5.50.5〜1.01.0〜1.50〜
0.3
スパゲッティ
ミートソース
560
〜720
7〜94.5〜5.01.0〜2.00.5〜1.50〜
0.3
パン食野菜サンド320
〜400
4〜52.0〜3.50〜1.01.0〜2.00
カツサンド480
〜640
6〜82.5〜4.01.0〜2.01.5〜2.00〜0.2
ハンバーガー320
〜400
4〜52.0〜3.01.0〜1.50.5〜1.00〜0.2
一品料理ギョウザ240
〜400
3〜51.0〜2.01.0〜2.00.5〜1.00
酢豚400
〜640
5〜80.5〜1.01.5〜3.51.5〜2.00.3〜1.0
八宝菜240
〜400
3〜50〜0.51.0〜2.01.0〜2.00〜0.2
豚カツ480
〜560
6〜71.0〜2.02.5〜3.51.5〜2.00〜0.3
ハンバーグ
ステーキ
480
〜640
6〜80.5〜1.53.5〜5.01.0〜1.50.1〜0.3
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嗜好品

1.アルコール

 アルコールには1グラム7キロカロリーもありますが、栄養素は含まれないため他の食品と交換することはできません。
 また飲酒することにより食欲が増加しつい食べ過ぎてしまい血糖コントロールを乱す原因になりますので禁酒が望ましいでしょう。
 付き合いなどでお酒を勧められ断りにくいという方は当院では禁酒カードを発行していますので活用してください。


2.喫煙

 タバコは百害あって一利なし。
 喫煙の習慣のある人はない人に比べ肺ガンが5倍、喉頭ガンが20倍多いといわれています。また、動脈硬化をすすめ心筋梗塞、脳梗塞を引き起こしたり、糖尿病の合併症である血管の障害をさらにすすませ足の壊疽を作りやすくします。
 禁煙しましょう。

3.間食

 甘い物は砂糖のかたまり。
 糖尿病の患者さんにとって甘い物は禁物です。ジュースの中(1缶350ml)には砂糖が40〜60gも含まれています。菓子類にも砂糖や油脂(バター、クリーム)がたくさん含まれています。どちらも吸収がはやくすぐ血糖が上昇してしまいます。
砂糖の多い間食は血糖や血液中の中性脂肪を上昇させるなど糖尿病のコントロールの上でいろいろな支障がありますので注意してください。

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SAP

センサー補助型皮下持続インスリンポンプ (Sensor Augmented Pump)

 リアルタイム持続皮下グルコース測定機能がついたインスリンポンプ療法です。2015年2月より日本でも行えるようになりました。SAPはリアルタイム持続皮下グルコース測定のためのトランスミッタ装着とインスリン注入のため2カ所の穿刺装着を行います。インスリンポンプホーム画面にグルコース値が表示され、また表示中のグルコース値が上昇中なのか、低下中なのか安定しているのか表示します。このためその時の血糖値に応じたインスリン注入量の微調整が可能です。
 SAPは今までの治療法よりコストが高い(3割負担で月あたり約3万円)、皮下グルコース値との血糖値とズレがある、などの欠点もありますが、5分ごとに(1日288回)グルコース値が測定し記録されるのでインスリン治療をきめこまかく行うのに役立ちます。




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