合併症(2)

2.動脈硬化症

(1) 糖尿病性神経障害

 動脈硬化症は糖尿病の方でなくても起こりますが、糖尿病があると動脈硬化が進みやすいといわれています。
 動脈硬化がすすむと心筋梗塞や脳梗塞をおこしたり、下肢の動脈硬化は潰瘍や壊疽の原因になることもあります。

これらの合併症の予防、進行防止するためには血糖・血圧の良好なコントロール、コレステロール値、体重のコントロール、禁煙が大事です。



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合併症(1)

自覚症状がないといって糖尿病を放置していると全身のさまざまな臓器に障害をもたらします。

1.三大合併症

(1) 糖尿病性神経障害

全身の神経の働きが障害されることによりさまざまな症状があらわれます。主な症状は手足のしびれ、冷感、痛み、下痢、便秘、インポテンツ、たちくらみ、額や顔に汗をかきやすいなどです。

(2) 糖尿病網膜症

 糖尿病網膜症とは血糖が高い状態が長く続き網膜にある毛細血管が障害をうけることで起こってきます。
 成人の失明原因の第3位になっており、年間3500人以上の方が糖尿病網膜症により視力低下しています。
 症状は視力が落ちる、ものがゆがんで見える、目の前にひものようなものが見える、視野が欠けるなどいろいろあります。しかし症状が出るのは網膜症が進行してからのことが少なくありません。そのため、定期的に眼科を受診し早期発見、早期治療していくことが大切です。

(3) 糖尿病性腎症

 糖尿病性腎症とは腎臓にある腎糸球体の変化により腎臓の機能が低下していくことです。腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排泄するという役割をはたしています。腎臓の機能が低下してくると、体がだるい、足がむくむ、貧血になる、吐き気がするなどの症状が現れますが、それは腎臓の機能がかなり低下してから出てきます。人工透析になる人の原因の第1位になっており、毎年新たに1万人以上が透析療法開始になっています。
 糖尿病性腎症の状態を調べる検査に尿たんぱくや尿アルブミンがあります。


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薬物療法(2)

2.インスリン療法

 1型糖尿病の人は体内でインスリンを作ることができないため注射で補わなければなりません。そのため、インスリン注射は生涯必要です。
 2型糖尿病でも内服薬が効かない場合にはインスリン注射が必要です。



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薬物療法(1)

食事療法と運動療法を行っても血糖コントロールができないとき内服薬やインスリン注射を使い、健康な
人と同じような血糖の値にすることが薬物療法を行う目的です。
薬物療法が開始されても食事療法と運動療法をつづけることが大切です。

1.経口剤

経口剤は症状によって使用する種類が違ってきます。



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運動療法(2)

3.運動の強さ

運動の強さは最高にきつい状態を100%とすると、40〜60%がよいとされています。40〜60%の強さの運動は人と話しながらでき、次の日に疲労感が残らない程度の運動です。
 運動の強さの目安となるものに脈拍があります。運動の直後に測ってみましょう。運動の直後の脈拍が1分間に110〜120回が目安になります。運動を行う時間は運動後に血糖が下がることから食後30分〜1時間に運動をすると食後の高血糖を抑えることができます。しかし、インスリンの感受性を改善することや、肥満の改善などの効果も目的とするため、継続して運動することが求められます。
 運動を継続できるようにご自分の生活の中で運動時間を計画しましょう。また、運動の効果は1〜2日続くため、週3〜4日運動を行えばいいのですが運動を習慣化するためには毎日行うことが望ましいでしょう。

4.運動するときの注意点

(1) 運動療法を開始する際は主治医と相談し、運動療法を行っていいかどうか、どの程度の運動が適しているのかを相談しましょう。以下の方は運動を始める際は慎重な判断が必要です。
  主治医に必ず相談しましょう。
   ・糖尿病性腎症の方
   ・糖尿病性網膜症で安定していない方
   ・血糖が著しく高い方
   ・狭心症の方
(2) インスリン注射をしている方、経口血糖降下剤を内服している方は低血糖を起こす可能性があります。空  腹時の運動を避け、運動する際は必ず砂糖を携帯しましょう。また、日本糖尿病協会発行のIDカードを携帯しましょう。
(3) 安全な運動のために準備運動と整理運動を行いましょう。
(4) 体調の悪い日は無理せず休みましょう。
(5) 汗をかいたら水分を摂取しましょう。
(6) はき慣れた運動靴をはき、まめを予防しましょう。
(7) 歩くときは交通量の多い道路は避け、明るめの服装を身に付け事故から身を守りましょう。
(8) 炎天下での運動は帽子を着用しましょう。
(9) 一緒に運動する仲間をみつけましょう。
(10) 太っている方は、水泳や自転車での運動が足や腰に負担がかかりません。


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